逓増定期保険はまだまだ利用価値の高い保険商品です

法人が契約する保険の中で人気のある逓増定期保険について、活用方法を解説していきます。
メンバー専用記事では、逓増定期保険の有効な活用方法について、さらに詳しく解説しています。法人契約で人気があった逓増定期保険
逓増定期保険は、「ていぞうていきほけん」と読みます。
逓増定期保険とは、契約して保険期間満了になるまでに、保障の保険金額が契約当初から5倍まで増加する定期保険を言います。
逓増定期保険は、定期保険から派生して生まれた比較的新しい保険商品です。毎年の保険料は変わらず一定ですが、死亡保障(=保険金額)は段階的に増えていきます(逓増していく)。
ピークの解約返戻率の数字によって、保険料の一定割合が損金扱いとなります。(2019年の税制改正以降)
経理処理のおおよそイメージとして伝えると、ほぼ100%の高い解約返戻率を5年で達成する逓増定期保険の損金算入率は約12%となります。
保険の解約返戻率が、契約後の早い段階で高い率になることが逓増定期保険の特徴です。 主に法人が加入する保険であり、個人で逓増定期保険を契約することは稀です。
逓増定期保険は、契約してから5~10年後に解約返戻率が一番高いピークを迎えます。そのため、他の一般的な生命保険のように、長い期間、保険料を払い続けるケースが少ない傾向がある生命保険となります(多くの契約者が解約返戻率のピークで保険を解約するケースが多いため)。
短期間で高い解約返戻率になるため、急ぎでの役員退職金準備に活用されることがあります。
逓増定期保険商品の中には、保険料を5回払うと、現金での解約返戻率が100%を超える保険商品もあります。
そのため、払った保険料(現金)を減らすことなく、5年間の大きな死亡保障を得ることができます。そして保険料の一部は損金として計上されて税効果も得られます。期間を5年間だけでみると、無料で大きな死亡保障が買えたという感覚になります。

法人における逓増定期保険料の経理処理
逓増定期保険も、定期保険の経理処理と同様で、一番ピークの解約返戻率に応じて、法人における保険料の経理処理方法が4つに区分されています(契約日が2019年7月8日以降の現行ルール)。
最高解約返戻率 | 資産計上期間 | 資産計上額 | 取り崩し期間 | |
---|---|---|---|---|
① | 50%以下 | なし | なし(=全額損金) | なし |
② | 50%超70%以下 | 保険期間の当初4割相当の期間を経過する日まで | 当期支払保険料の40% | 保険期間の7.5割相当の期間経過後から保険期間の終了の日まで |
③ | 70%超85%以下 | 保険期間の当初4割相当の期間を経過する日まで | 当期支払保険料の60% | 保険期間の7.5割相当の期間経過後から保険期間の終了の日まで |
④ | 85%超 |
次のAとBのうちいずれか長い期間まで A:保険期間開始日から最高解約返戻率となる期間の終了の日まで B:Aの期間経過後において「(当年の解約返戻金相当額-前年の解約返戻金相当額)÷年換算保険料相当額(*1)」が70%を超える期間 (注)上記の資産計上期間が5年未満となる場合には、5年間(保険期間が10年未満の場合には、保険期間の当初5割相当期間を経過する日まで) |
・保険期間の当初10年経過する日まで 当期支払保険料×最高解約返戻率の90% ・保険期間の11年目以降残りの資産計上期間 当期支払保険料×最高解約返戻率の70% |
解約返戻金が最も高い金額となる期間経過後から保険期間の終了の日まで |
(*1) 年換算保険料相当額=その保険の保険料の総額÷保険期間の年数
保険の専門家でないと非常にわかりにくい表ですが、保険加入を考えている方に分かりやすいように伝えると、法人で契約するような逓増定期保険の契約当初は、保険料の約12~15%が支払保険料として損金になり、約85~88%が資産計上されると考えてください。
特徴のある逓増定期保険
逓増定期保険は各保険会社(2021年時点で42社)が持っている保険商品ですが、その中で5年目の解約返戻率がほぼ100%になるのは、わずか1社だけしかありません。
現金での解約返戻率が5年でほぼ100%になる
※保険提案書の上では解約返戻率が5年で100%を超えていますが、わずかですが一部に配当金がふくまれているため、「ほぼ100%になる」と表現しています。
実は、同じ逓増定期保険というカテゴリーの保険商品でも、保険会社によって違った特徴があるため、保険の専門家ではない顧問税理士や横断的に保険を取り扱えない保険代理店が、すべての逓増定期保険商品を正しく知っているとは限りません。そのために、正しい保険情報が市場の中で流通しているとは言い切れないケースが往々にしてあります。
私たちは法人向けに最適な生命保険会社の商品を取り揃えてご案内していますが、万が一、自社で取り扱わない保険商品の特徴であっても正しく把握して、企業のニーズにとって最高のパフォーマンスを出す状態を公平な視点で提供しています。
逓増定期保険のことで何がベストの選択なのか、本当に正しい答えを得たいとき、顧問税理士や他の保険代理店から提案されている逓増定期保険が本当に一番良いものなのかの答えを得たいとき、私たち法人向け保険の専門コンサルタントにご相談ください。公平な立ち位置に立って、本当の答えをお教えします。

逓増定期保険のまとめ
役員の死亡リスクに備えることができて、保険料の一部が損金になるにもかかわらず、契約してから5年後には払った保険料が現金でほぼ100%戻ってくるという、お金を減らすことなく大型死亡保障が準備できる保険です。(2019年7月の保険税制改正後以降の新ルール対応)
- 5年で解約返戻率がほぼ100%になるので、5年間の大型保障が無料で手に入るのと同じ
- 急ぎの退職金準備に逓増定期保険は最適(最短で5年が可能)
- 保険料の一部が損金算入できる

会社経営における生命保険の活用
保険業法による規制により、保険代理店による生命保険の販売は、保障を目的として案内をすることだけで制限されており、損金性や金融商品的な提案をすることは禁じられています。そのため、「法人保険ナビ」でも提案や表現に制限があり、その許された狭い範囲の中で表現を行っています。そのため、私たちが伝えたいことを正しくわかりやすく伝えられていない部分が多く発生しているかもしれません。
そのため、効果がある本物の保険提案は、実際にお会いして経営課題をお話いただく中で提案させていただきたいのです。お会いして提案させていただく機会をいただければ、経営において非常に効果的な保険活用方法をご案内することができると自負しています。税理士や金融機関から今まで聞いたことがない本物の保険提案を味わってほしいと願っています。
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直接お会いして保険導入をご検討いただいている新しいお客様や、オンライン相談をさせていただいている新しいお客様にも、期間限定で開放してお読みいただけるようにもできますので、メンバー専用記事をお読みになりたい方は、ご相談の中でご用命くださいますよう、よろしくお願いします。

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