-税金対策コラム

vol.79

保険料が大き過ぎると、税務署から否認される?

  「あまり保険料を大きくしすぎると、税務署から否認されるよ。」

税金対策で保険の導入を検討した際に、税理士からこんな風に諭されたことはありませんでしょうか。法人で加入した保険の保険料が大きくなりすぎると、税務署から否認されるというのです。せっかく加入した保険も、否認されてしまっては元の子もありませんから、否認されるぐらいなら利益を会社に残して納税したほうが賢い、と多額の税金を納めた経験のある方もいらっしゃるかもしれません。

法人保険への加入を検討する際、多くの経営者様は顧問の税理士に「これでいいのか」と相談をされるかと思います。そういった場合に、税理士から否定的な答えが返ってくるケースも多いようです。つまり、保険料の大きさによって否認されるリスクを説いてくるのです。

納税と引き換えに保険を税務署から否認されるリスクがなくなるとするならば、それもひとつの選択肢として良いでしょう。しかし、ちょっと待ってください。「保険料を大きくしすぎると、税務署から否認される。」果たしてこれは本当なのでしょうか。

しっかり考えてみたいと思います。

実例について

では、過去に払っている保険料が大き過ぎて否認されたという実例はあるのでしょうか?・・・調査をしたところ、保険料が大きくて否認されたケースは過去に1件も見つかりませんでした。それどころか、税務署が保険料の大きさで否認をし、それに対し企業側が不服審判を起こし、企業側が全面勝訴した、という事例があるほどです。(平成14年6月・国税不服審判所)つまり、税務署は法人保険の保険料をきちんと税法に則って税務処理をしているか、ということをチェックすることは出来るが、保険料が大き過ぎるといった理由で否認するのは越権行為だとする判例が出ている、ということです。


法人保険のコンサルティング会社のお客様のなかには、一般的にはびっくりしてしまうような保険料を毎年支払っているケースが珍しくないようですが、そうであっても保険料が大き過ぎることで否認されたという事態は、過去に例がないとのことです。


保険料を大きくしすぎると、税務署から否認される。」こんなことを口にする税理士は単に勉強不足なのでしょうか。様々な要因が考えられますが、税理士の保険料の大きさを気にするような発言からは、次の3つのような税理士の本音が垣間見えます。

  • 保険を大きく導入したって顧問料が上がるわけでもない。だから、利益をしっかり出して顧問料を上げてもらった方がいい。
  • 自分を通さずに、顧問先に外部から保険提案があること自体が面白くない。
  • 保険の詳細がわからないから、税務調査で説明できないし、面倒に巻き込まれたら嫌だ。

信頼をおいている顧問税理士の意見には、思わず納得してしまうと思います。ただし、その意見は判例等なにか根拠に基づいているものなのか、判断には注意深くありたいものです。


経営者様は、経営において日々、真剣勝負をしています。法人保険の導入も、そのうちの大切な要素です。経営者様は、将来の不測な事態への備えを考えたり、従業員のことを真剣に考えたりするからこそ、含み資産経営に本気で取り組もうとします。そういった経営者様の力になれるよう、私達は最善の情報提供の場所を作っていきたいと考えています。

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